この本は読む価値がある
久しぶりに読んでよかった~~~と思える本に出会いました。
それは、この本です。
元博報堂の小霜和也さんの本です。
本の帯には、「コピー1本で100万円請求するための教科書」と書いてあります。
この本のよいところは、コピーライティングという仕事を通して、「伝える」という行動すべての原点になるものを学べる点です。
ですので、コピーライターを目指している人だけに役立つものではなく、お客様のモノ・コトを伝えるWebディレクター、デザイナーはもちろん、ソリューションを提案する営業の方にも絶対に役立つ本であると思います。
広告コピーを考えるときに重要な2つのこと
この本に書かれてある内容のうち、すぐに自分の仕事に取り入れよう(意識)しようと思ったのは「広告コピーを考えるときに重要な2つのポイント」という内容です。
その2つのポイントとは、以下の2点です。
- 商品の具体的な情報、競合情報との違い(USP)を考えること
- 商品を買ってくれる可能性があるターゲットを考えること
これまでの仕事を振り返ってみると、僕の場合は、「競合情報との違い(USP)を考える」という点について、ついつい抜けてしまうことがありました。
仮にお客様のホームページを作るときに、お客様から「うちの商品は○○がすごいんですよ」と言われて、それを鵜呑みにし、お客様からいただいたデータ(すごさの証明)とともに掲載するという”作業”に陥ってしまう場合があったなぁと、反省しております。
そのすごさを証明するデータがあることで安心してしまい、競合を意識せず、単純に「XXXXが3倍濃厚な○○○」みたいな感じで作ってしまうというパターンです。
本来であれば、お客様からいただいたヒントである商品の「すごさ」をもっと掘り下げる必要があるということです。
その観点が「競合情報との違い(USP)」と「ターゲット」の2軸が必ず必要です。
競合情報との違いの観点が抜けていると、こんな失敗につながります
たとえば、お客様から教えていただいた「すごさ」について、競合情報と比較したときに、実は競合の方がもっとすごかった・・・みたいな。
または、地元では確かにすごかったけど、全国レベルで見たときにはすでに業界のスタンダードな数値だったとか。
ターゲットの観点が抜けていると、こんな失敗につながります
仮にその「すごさ」が確かに業界でずば抜けていたとしても、その部分をターゲットが欲していなければまったく意味がありません。
たとえば、自転車を例にすると、「うちの自転車はタイヤが5つある」「タイヤの数じゃ負けない」っていうのが「すごさ」だとして、仮にターゲットが「自転車通学の学生」だとしたら、「タイヤが5つある」というのが欲しいという気持ちにつながるでしょうか?
ならないですよね。(※自転車通学の学生じゃなくてもタイヤが3つある自転車なんて欲しくありませんけど)
タイヤが5つの自転車なんかに乗っていたら、逆にいじめられるかもしれません(笑)
今のは極端な(ありえない)例ですけど、そのすごさを考えたときに、”誰”向けに情報を発信をしたら、そのすごさが刺さるのかを考えなくてはなりません。
タイヤが5つの自転車だと、誰に売ったらいいんでしょうか?(笑)
サーカスの座長?
タイヤが5つあることで、安定感が増すのであれば田んぼ道を走る農家?風が強い地域の人?
コピーライティングがキャッチコピーを考える行為ではない
コピーを考えるということは、その背景である競合情報やターゲットなど、マーケティング的な要素をしっかりと調査したり、その結果を得てストーリーを考えるということです。
つまり、これはコピーライターだけに必要なスキルではなく、営業やデザイナー、ディレクターにも必要なスキルであると感じました。
この本を読むことで、コピーライティングという仕事の重要性を再認識しました。
また、そこを軽んじてWebサイトを作ってしまうと、Webサイトの力を100%使いきれていない、弱いWebサイトになってしまうのではないかとも感じました。
自分が携わる制作においては、そこを意識してやっていきたいなと。